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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「普通の暮らし」

 朝の連続ドラマのせりふに「普通の暮らしを守りたい」というのがあった。胸にしみた。阪神・淡路、東北と20年の間に大きな震災を2度経験して、防災という言葉は浸透し、建物の耐震構造も見直されたはずだった。
 台風や猛吹雪の被害と対策は、ある程度想定できるが、地震は違う。熊本の地震は神戸とも東北とも違う。収まらない。広がるばかりである。次にどこで起こるか、どんなタイプの地震か、誰も予想などできない。防災グッズをちゃんと持ち出せるか、それが実際役に立つかどうかさえ分からない。自然現象の前でいかに無力であるか、私たちは肝に銘じて暮らさなければならない。
 そんな中、桜前線は静かに北上している。北国の桜もいつもどおり咲くだろう。咲いて当たり前だと思っているが「今年も変らず咲く」ことの意味に感動せずにはいられない。普通の暮らしを維持することは実に難しい。
 今年も大学では生命科学を担当しているが、太陽の光を利用して自らデンプンを作ることができるのは緑色植物だけなのだと、義務教育で学んだはずのことを今年はいっそう強く学生に確認させた。植物は強い。そしてほかのイキモノを食べることでしか生きていけない動物の弱さを声を大に強調した。
 北国の桜は花と葉が一緒に出てくる。短い季節を有効に利用して成長する素晴らしい知恵、なんという強さ。植物に学ぶことは大きい。そして普通の暮らしを守ることは本当に難しい。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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