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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「懐疑的であれ」

 本庶佑先生がノーベル医学生理学賞を受賞された。2012年に山中伸弥先生が同賞を受賞したiPS細胞の研究同様、医療の現場ですぐに役立つ研究なので、いつも以上に身近に、またうれしく感じた。
 本庶先生のごあいさつで特に印象的だったのは、教科書であっても疑いなさいということだった。最新の画期的な研究でも十年後には否定されるかもしれない。実際に書き換えや修正が必要になる研究は多い。だが疑うことは難しい。現実には根拠があろうとなかろうと、真偽が不明でも出所が分からなくてもあっさり信じる人が実に多い。
 本庶先生のご研究は免疫に関するものである。免疫学はきわめて難しい領域なのに、一般には「免疫力アップ」という表現が気軽に使われている。免疫力を上げるさまざまな方法がネット上にはあふれている。だが重篤な病気になった場合は、一朝一夕、自分で簡単にどうこうできるものではない。かつて私は大切な友人を有効な免疫療法と銘打った、根拠の乏しい療法で失った。最先端の医療を拒否して彼女はそれを盲信した。以来私は情報全般に慎重になった。
 近代科学を信じたい。科学の進歩に期待したい。あふれる情報には慎重に、そして常に懐疑的であろうと今年も学生たちに伝えたが、さて彼らはどう感じただろうか。(生活デザイナー)

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