「秘密のケンミンショー」というテレビ番組で2週に渡って北海道が取り上げられた。北海道ならではの食べ物や行事が矢継ぎ早に紹介された。北海道では大晦日(みそか)におせち料理を食べ始める。節分は落花生をまく。子供の日は柏餅ではなくベコモチを食べる。七夕は竹ではなく柳に短冊を飾る。七夕は8月に行う。百人一首は木の札を使う。お通夜に親戚一同の集合写真を撮る。そうだそうだと膝を打つ人もあれば、反論したくなる人もいただろう。
だが北海道出身のタレントたちはみなVTRに同意していた。言うまでもなく北海道は広い。いち早くその歴史をスタートし、繁栄した道南は他の地域とはさまざまな文化が違う。道南出身の学生たちは、今でもお正月はくじら汁を食べなければ始まらないという。御盆も七夕も本州と同じように7月にやる。したがって北海道は…とひとまとめ説明されると正直なところ私も気分はよくない。
実はこの番組の制作会社から先月電話をもらった。ベコモチに関して調べていて私の論文にたどりついたとのことだった。番組では端午の節句のお菓子として紹介されていたが、仏壇に供えたり法事で使うところもあるし、日々のおやつだったり、手みやげだったり多様なのだと強調したが、そこまで紹介されず残念だった。だが、まずは全国デビューしたということか。カーリングの「そだねー」というのが注目されているが、さてあれは本当に北海道弁なのだろうか。(生活デザイナー)