私は木の花が好きである。中でもコデマリが一番好きである。桜も桃も木の花はその季節しか楽しめない。そこが植物愛好家には待ち遠しく、うれしいものなのだ。コデマリは「小手鞠」と漢字で書きたい。小さい花が丸く群れて咲くさまはまさに手鞠である。店先に並ぶのを待って毎年この季節に楽しんでいる。時はひな祭りと重なる。毎年義母の残した大きな立ちひなに添える。わが家の春のしつらえである。
さて、春はいつも子供たちの受験や卒入学、転居などで落ち着かなかったが、そんなドキドキからはそろそろ解放される。これからは自分たちの健康管理の季節にしようと考えている。子育てや親の介護のドキドキやハラハラの日々のあと、やっと手に入れる落ち着いた日々が不健康では何もなるまい。職場で強制的に健康診断を受けることもなくなれば、なおさらである。自分で意識的にやらなければならない。
そこで先月の胃カメラに続き、昨日は大腸カメラの検査を初めて受けてきた。小さいポリープが3つ見つかり、その場で切除して1泊の入院。貴重な体験をした。大量の下剤を飲むことの大変さや、検査の恥ずかしさや怖さを散々周囲に聞かされておびえていたが、2リットル弱の液体の下剤も苦にならず、検査とて画面を見ながら興味深いものだった。検査の感想は人それぞれ。案ずるよりナントカである。手に入れる安心は何にも代え難い。絶対に受けたほうが良いと私は思う。(生活デザイナー)