久しぶりにお弁当を作った。この春からまた同居して学生を続ける次女と、気ままな時間に昼食が食べたい母、そして落ち着いてデスクワークをしようと決意した私自身のために、義務感からではなく作ってみようという気持ちになったのだ。
だが今月からお弁当作りが始まるお母さんたちは、さぞかし緊張していることだろう。幼稚園児であれ高校生であれ、親にとってお弁当作りはかなりのストレスであることは間違いない。しかしその時期のなんと短いことだろうか。
7歳違いの姉妹を育てた経験から言わせてもらえば、ある日突然「ラストお弁当」の日はやってくる。弁当作りに慣れ、手抜きも覚えたころ、その日は突然やってきた。リクエストに応え、感無量で作ったのはノリ弁で卵焼きとウインナーだったような気がする。だから気負わず、子供や周囲からの評価も期待せず、文句や苦情も気にしないで、できる時間で作れるものを作るのがいい。
ちまたにはキャラ弁というアニメのキャラクターなどを描くスゴイお弁当がある。ネットにはかわいいお弁当や美しいお弁当の投稿があふれているが、忙しい朝、写真など撮れなくてあたりまえ。お弁当は昼ご飯である。空腹を満たして栄養を補給できればいい。冷めてもおいしい工夫だけが大切。残りモノも冷凍モノも既製品も上手に使って楽しむことだ。
そう学んでいたにもかかわらず、久しぶりの私のお弁当は、気取り過ぎで少ないとサンザンだった。明日からは実用重視で気軽に作ろうと思う。(生活デザイナー)