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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「日本の食卓その2」

 「一汁三菜」が日本の食の基本だという。なぜ三菜なのかとずっと考えていた。大きな魚や肉じゃがならそれ一菜で十分である。戦前までずっと使われてきた、お一人さま用のお膳が理由ではないかと思い至った。
 ダイニングテーブルと椅子のセットが日本に普及したのは戦後である。それ以前はちゃぶ台。古くは個々人用のお膳だった。お膳の前に正座して背中を丸めずに食べるためには、器を手に持って口に近づける必要があったはずだ。当然、手のひらに乗る小ぶりの器が多用された。お膳に乗るのは、せいぜい3個程度ではなかったか。テーブルと椅子での食事なら手に持たなくてもよい。
 現に洋食ではグラスとカップ以外は持ち上げないのが作法である。だとすれば、椅子での食事でも、刺し身しょうゆ用の小皿は持ち上げあるべきだとする昨今の日本のマナー本の指導はどうなのだろうか。周囲を汚す可能性があるかどうか、手で持ち上げる理由があるかどうかが問題なのであって、作法はライフスタイルとともに変わって良いのではないか。
 形骸化してぎこちなくなっては元も子もない。バブル経済真っただ中の「お嬢さまブーム」の時代、紅茶茶碗は受け皿ごと左手で持ち上げるのがエレガントだとある女流作家が言い、真似する人が増えた。低いテーブルの場合の話なのに、そこだけ切り取られて奇妙な作法が生まれかけた。
 臨機応変な変化も良いが長く守り伝えたい日本の所作もある。ああ作法は実に難しい。(生活デザイナー)

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