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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「ニューヨークで考えたこと①」

 年末にニューヨークへ行ってきた。アメリカで勉強している次女と待ち合わせ、久しぶりに楽しい時間を過ごした。だが本来の目的は食に関する調査。戦後長く私たちのライフスタイルの手本だったアメリカは、今は肥満を筆頭に多くの問題を抱えているはずである。
 5日間の滞在中、食品売り場やお菓子屋さん、カフェなどを都心部から郊外まで精力的に見て歩いた。1898年創業以来、市民に愛されている老舗のスーパーマーケットや、小さくても驚くほど多種類の食材をそろえている店など仰天するばかり。やはりアメリカにはかなわないと思いはじめたころ、うれしくなるモノを見つけた。
 ある高級食材店でゆずを発見。産地はどこかと訪ねたが分からず。絶対に日本だ! と確信。説明には香りの素晴らしさが強調され、魚料理、七面鳥をはじめ鶏肉料理、焼いた野菜に最高だとあった。この店には数種類の柑橘(かんきつ)類があったが、アメリカの果物は品種のバリエーションが少ない。それに比べて日本はどうだ。りんご、みかん、最近ではイチゴの種類の多さには驚いてしまう。
 なぜ日本人はこんなに甘さを求め、大きさ、美しさを求めて果物の品種を増やしてきたのだろうか。農学部で学んだ若いころからの疑問である。生産の効率化や労力の軽減の他に、人間のさまざまな「欲」がその背景にきっとある。豊かさとは何だろう。そして文化とは何だろう。短い旅の間、ずっと考え続けた。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット

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