函館市は23日、市内のジェンダーギャップ(男女格差)解消に向けて立ち上げたプロジェクトの初会合を市役所で開いた。大泉潤市長をはじめ、佐藤聖智子、田畑浩文両副市長、部長ら幹部14人が、ギャップ解消の視点を取り入れ、まちの活力を生み出し、持続的な発展につなげる考えを共有した。
女性が自らの能力や個性を存分に発揮することができる社会を構築するため、職場や地域、家庭など、さまざまな場面でのジェンダーギャップ解消に、市を挙げて取り組むのが狙い。市長をリーダーとした部局横断チームを19日に設置した。
会合では、近年特に20代女性の市外への転出超過が大きく、2020年度の人口変動率でみると、初めて女性が男性を上回ったことを確認。また、市民や事業者を対象に行った意識調査の結果で、賃金、正規雇用率とも男女差があることや、女性の家庭生活の負担が男性を大きく上回っている状況、女性が仕事を続けるにあたり、支障となっている要因の声などを市内の現状として分析した。
市長は「若い人から選ばれるまちになるには、地域最大の雇用主の市役所が率先する必要がある」と強調。キャリアアップ、出産、子育てを考える女性について「誰の助けもなく、孤立し、職場の理解もなく一人苦しんで戦いながら、管理職をやっていけるわけがないというのが本心だと思う。本人の問題ではなく周囲の問題」と述べた。
このほか、市政策アドバイザーの塚原月子G20EMPOWER日本共同代表にプロジェクトのアドバイザーを委嘱し助言を求めることや、経済団体、高等教育機関と連携したワークイノベーションを推進する体制づくり、7月のセミナー開催を示した。(竹田 亘)