商船三井クルーズ社(東京)のラグジュアリー客船「三井オーシャンフジ」(3万2477トン)が27日、函館港若松埠頭(ふとう)に初入港した。下船した乗客は春の函館観光を思い思いに満喫した。函館港に初めてお目見えする豪華客船の入港が29日まで3日間続く貴重な機会となっている。
同船は、函館港に寄港したこともあるシーボーン・オデッセイを同社が購入し、新ブランドを立ち上げた第1弾クルーズ船。乗客198人、乗員344人を乗せ、午前9時に接岸。函館クルーズターミナル内では、初寄港を記念した歓迎セレモニーが開かれた。
乗客は大型バスに乗り込み、市内の観光スポットのほか、遊覧船を利用しての大沼公園の散策、縄文遺跡群とコンブ工場を見学するツアーもあった。兵庫県たつの市から妻と訪れた自営業の山下和重さん(73)は「レンタカーを借りて松前町へ行き、サクラを見るのが楽しみ」と笑顔を見せていた。
入港予定の江差港が天候不良だったことから、同社の「にっぽん丸」(2万2472トン)も同日、港町埠頭に寄港した。
28日はロイヤル・カリビアン・インターナショナルの「アンセム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)が同埠頭、29日はオーシャニアクルーズの「リビエラ」(6万6172トン)が若松埠頭に入港する。両船とも初寄港。(竹田 亘)