【乙部】町在住の会社員、小田教貴さん(41)=桧山剣道連盟所属=がこのほど、全日本剣道連盟の7段に昇段した。2月1日の福岡市での審査会に初挑戦で一発合格の快挙を果たし、小田さんは「これまで積み上げてきたことを出し切れた」と喜ぶ。
7段の審査は6段取得後6年以上経過すると受験でき、小田さんは2018年に6段に昇段していた。審査内容は実戦形式の実技と日本剣道形で、技能の高さだけでなく着装や立ち振る舞い、風格なども審査の対象となっている。今回は392人が受験し、小田さん含め98人が合格した。
4人1組で2試合する実技では「竹刀を打つまでの過程を意識した攻撃的な剣道ができた」と小田さん。ただ、審査会の1カ月ほど前に調子を崩し、完全に回復できぬまま審査に挑んだという。それでも「直前に開き直ることができ、今ある力をすべて出し切ることに集中できた」と振り返る。
小田さんは小学校1年から乙部剣道スポーツ少年団に入団して剣道を始め、卒団後も札幌日大高校、札幌大学でも剣道を続け全国区で活躍。社会人になってからは東京の実業団チームで剣道を続け、道場で高段者の指導を受けながら実力を一層高めた。2013年には全日本剣道連盟が全国から選抜した「若手剣道人」36人にも選ばれた。
21年に故郷の乙部町に戻り、厚沢部町の移住交流事業の実務を担う「素敵な過疎づくり株式会社」に勤務しながら同少年団の指導に当たる。
次の目標はさらに難関の8段。7段昇段後、10年以上けいこを積まないと受験できない。小田さんは「チャンスがあれば挑戦する。そのためにも日々のけいこを大切にし、精進したい」と話している。(鈴木 潤)