国連が定めた4月2日の「世界自閉症啓発デー」に向け、道南の当事者や支援団体でつくる実行委(嘉堂聖也委員長)は2月から、各地で関連イベントを展開している。30日には音楽祭やアート展を開催。4月2日夜には五稜郭タワーをシンボルカラーの青色にライトアップし、自閉症を抱える人らへの理解を呼び掛ける。
函館・道南での啓発イベント「世界自閉症啓発デー in HAKODATE」は2013年にスタート。五稜郭タワーのライトアップは14年から行っている。
13年は函館市内の商業施設で1日だけの催しだったが、年々参加する団体や事業者が増え、今年は2月から50の企画を展開。自閉症啓発イベントとしては国内トップクラスの規模に成長した。実行委事務局長の高橋和俊ゆうあい会石川診療所長(60)は「関係者だけのイベントになりがちだが、一般の人、自閉症について知らない人にも届くように、バラエティー豊かな内容にしてきた」という自負がある。
自閉症は発達障害の一種。人との関わり方が独特だったり、場面の切り替えが苦手だったり、日常生活の中で苦労することが多い。高橋事務局長は「自閉症の人と関わったことがない人は、接するときに不安を感じるかもしれない。どう関わればいいのか、その人をよく知っている人に聞いてもらいたい」とする。「話し掛けたり、静かに見守ったりした方がいい場合と、状況や人によって違う。まずは関心を持つことから始めてほしい」とアドバイスする。
Blueの音楽祭は30日午後2時から、市芸術ホールで行う。ジャンルを超えた地元アーティストが演奏を繰り広げる、アート展は同ホールギャラリーで30日から4月2日まで。
ライトアップ点灯式は同ホールで2日同5時から。
同6時半に点灯する。いずれも入場無料。
ほかの催しはホームページに掲載している。(松宮一郎)