函館市社会福祉協議会(市社協)は14日、市総合福祉センターで災害時、被災者支援に協力する市民ボランティアのための研修会を開いた。ボランティアに登録している市民や市社協の協力団体のメンバーら約90人がテントの組み立てや炊き出し、避難誘導の実践的な訓練を通じていざという時にどう動くかを確認した。
市社協は、災害が発生した場合、市民の災害ボランティアに活動してもらうため、受け入れ体制を整備している。研修会は地域の担い手育成と意識の向上を図る狙いで、2011年の東日本大震災を機に力を入れ始めた。
研修会にはボランティアのほか、市や日本赤十字北海道支部函館市地区事務所、市社協と災害協定を結ぶ市内のラインオズクラブ、函館青年会議所なども参加した。
参加者は現地班、炊き出し班、避難誘導班に分かれ、避難所に配備している屋内用テントの設営やカレーライスづくり、避難誘導に真剣な表情で取り組んだ。
災害ボランティアに登録している美原の会社員、斉藤雅人さん(63)は「大災害はいつ発生するか分からない。何かあったときには地域のために役に立ちたい」と士気を高めていた。
市社協の阿知波健一事業部長は「ボランティアや関係団体とともに災害への備えを強化する」と力を込める。現在、ボランティアに登録している市民は55人にとどまっている。「今後も研修を継続し、市民の関心を高めてボランティアを増やしていきたい」と話した。(松宮一郎)