中国の旧正月「春節」が12日、始まった。函館・道南には例年、春節に合わせ中華圏から多くの観光客が訪れるが、今年は新型コロナウイルスの影響で市内観光地はどこも閑散とした様子に様変わりし、寂しい春節となっている。
数多くの店が集まる金森赤レンガ倉庫群では、この日の日中も歩く人の数は少なく、世界的な海外渡航の制限下で、中華圏からと思われる観光客の姿も当然のように見られなかった。
春節に合わせて特有の活気が満ちる函館朝市でも観光客の姿はまばら。国内観光も厳しい情勢の中、関係者はインバウンド観光の回復には相当の時間が必要となるだろうとみている。函館朝市に店を構える函館カネニの藤田公人社長は「観光機運を高めるためにはまず感染拡大の収束が求められる。変異ウイルスも聞かれはじめた中、ワクチン接種などで一日も早い収束を願うばかり」と話していた。
このほか、五稜郭タワーやはこだて明治館は臨時休業中で、函館山ロープウェイもロープウェイの営業時間短縮などに取り組んでいる。函館空港にはエバー航空とタイガーエア台湾(いずれも台湾)の2社が、函館と台湾(台北)間の航路で運航しているが、どちらも新型コロナの影響で昨年3月から運休が続いている。観光を取り巻く環境はなお厳しい状況が続いている。(野口賢清)