函館市の五稜郭公園では、二の橋付近にあるフジ棚の花が見頃となった。鈴なりとなった紫や白の花と甘い香りが国内外から訪れた来園者を魅了している。
フジ棚の高さは約3・5メートル、長さ約30メートル、幅約4メートル。1913(大正2)年に市民が別の場所で植えたものを、昭和初期に現在地に移設されたとされる。例年は6月に入ると咲き始めるが、今年は昨年に続き5月中旬から花を房状に垂れ下げて咲かせている。
周辺ではツツジも咲き、鮮やかな色合いで共演している。仙台市から北海道新幹線で訪れた主婦田中純子さん(66)は「五稜郭にフジ棚があるとは知らず、良い時期に来られてうれしい。きれいに花を咲かせる古木の力強さを感じます」と話していた。(山崎純一)