北海道新幹線開業まで、残すところあと20日。所要時間が縮まる東北エリアへの商品を続々と発売する道内の旅行会社は、多数寄せられる申し込みや問い合わせに手応えをつかんでいる。一方、首都圏発では、日本航空(JAL)とJR東日本が大手旅行会社と連携して新幹線と飛行機を組み合わせた商品の販売を始めるなど、北海道、東北向けの旅行商戦が本格化している。
JTB北海道(札幌)は「北海道新幹線で行く!東北・東京」と題し、青森・盛岡・宮城の各県や都内に泊まるフリープラン商品を発売。函館支店の榎ひろみ店頭営業課長は「パンフレットの送付希望や問い合わせが日を重ねるごとに増えており、盛り上がりを感じる」と話す。
他社に先がけ、新幹線を行程に組み込んだ東北方面の商品を1月上旬から発売した近畿日本ツーリスト北海道(札幌)は「シニア層を中心に申し込みが多い」とし、新たなツアー商品造成も視野に入れる。
一方、新幹線と飛行機をそれぞれ片道に使う首都圏発の旅行商品を売り出すJALとJR東日本は、「話題の北海道新幹線に乗車したい」「現地でゆっくり滞在したい」という旅行予定者の二つのニーズに応えるのが狙いだ。旅客輸送でライバル関係にある両者が連携するのは初めて。
往路は新幹線で新函館北斗駅まで移動、青函圏を周遊し、復路は青森空港から飛行機で戻るといったさまざまな行程を組むことが可能で、日本旅行やびゅうトラベルサービスなど4社で取り扱う。
JR東日本広報は「空路の速達性、陸路の周遊性という両方のメリットが生かせる」、JAL函館支店は「北海道・青森エリアへの観光機運盛り上げにつなげたい」としている。(山田大輔)