函館市の新しい観光パンフレット「函館旅時間」が完成した。観光プロモーションなどで活用する総合版と旅行者が手に取りやすいガイドブック版の2種類を用意。函館を代表する美しい建物や風景の写真を数多く掲載したほか、スマートフォンの専用アプリを利用して、観光案内を動画で視聴できる工夫を凝らした。
北海道新幹線開業で増加が見込まれる、国内観光客をターゲットにしたリニューアル。昨年6月実施の企画コンペには8社が参加し、「アリエル」(海岸町)の提案に決定した。
函館の魅力を余すところなく紹介する総合版は、A4版32ページで5万部を発行。国内プロモーション活動や物産展などでの配布を予定する。表紙には、夕日に輝く金森赤レンガ倉庫群と函館山の風景写真を採用。元町、ベイエリア、五稜郭、湯の川、函館山の地区別に特集を組み、多彩なスポットの写真を配置した。「函館リノベーション物語」と題して古民家や商店などを再生して営業している店舗・施設を紹介する特集や、グルメ、四季を代表するイベントといったページも用意した。
ガイドブック版はA5版16ページで23万部を用意。市内観光案内所や函館空港、主要観光施設などで配布を予定。観光客がまち歩きに利用しやすいよう、総合版の内容を凝縮して紹介している。
また、掲載写真の一部には「拡張現実(AR)」機能を活用した動画再生機能を埋め込んだ。スマホやタブレット端末で無料専用アプリをダウンロードして、パンフ上のマークに画面を合わせると動画が自動再生される。各スポットの解説を聞くことができ、旅行の計画やまち歩きの最中にも楽しめそうだ。
市は今後、最新の情報を追加しながら改訂を進める方針。市観光部観光企画課は「パンフレットを手にしながら、異国情緒あふれる函館で、普段の日常とは違う特別な時間を過ごしてもらいたい」としている。(今井正一)