函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での6月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年同期比18トン(38・3%)減の29トンとなった。比較できる2006年以降では、21年の26トンに次ぐ過去2番目の少なさで、厳しいスタートを切った。
漁が解禁した6月の100トン割れは7年連続で、依然として低水準を脱していない。同部によると、1キロ単価は同377円高い1332円で最も高い。取扱金額は同577万円減の3893万円。出漁日数は昨年より4日多い18日で、取扱量の内訳は上旬9トン、中旬13トン、下旬7トンだった。
6月単月の取扱量を見ると、17年の96トンから100トンを下回り、18年31トン、19年42トン、20年47トン、21年26トンと推移し、22年は47トンと盛り返したが、23年は再び前年より落ち込んだ。
函館市中島廉売内の紺地鮮魚の紺地慶一社長(62)は「6月は前半少し良かったが、あとは非常に悪かった。4日から前浜で操業する船が出ており、これから需要期を迎えるので水揚げ増に期待したい」と話す。
道総研函館水試の試験調査船「金星丸」(151トン、イカ釣り機5台、集魚灯20灯)が6月14~22日に道南日本海5地点で実施した分布調査では、イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲数は平均0・31匹で、昨年5地点の平均(0・22匹)と同程度で、過去5年(18~22年)の平均値(5・56匹)を下回り、10年以降で2番目に低い値だった。
同水試の三原栄次主任主査は「日本海を北上する秋生まれ群の分布量が少ないため、6月の漁獲量が少なかったと考えられる」とした上で「今回の調査結果からも、7~8月も低調な来遊が続くだろう」とみている。(山崎大和)