【札幌】鈴木直道知事は9日の臨時記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に関し、道内一律の外出自粛や学校休校の措置を現時点で講じない考えを明らかにした。ただ、札幌での患者数が急増したことを受け、10日の感染者が増えた場合は札幌市長や市教委と協議した上で、休校などの措置を取る可能性を示唆した。
道内の感染者は8日が10人、9日が1日で最も多い18人を新たに確認。連続して二桁となったが、28人のうち、感染経路が明らかな人が15人、不明な人が13人だとして「感染不明な患者数が多いと断定できない」と述べた。
その上で「道が直ちに感染拡大警戒地域に該当するとは考えていない」と強調した。一方、札幌は7、8両日とも感染確認が4人だったのに対し、9日は8人に倍増したことを踏まえ、10日の感染者数の状況を注視するとした。
また、政府が緊急事態宣言を出した7都府県から来道した人が感染を拡大する恐れがあるとして、知事は同日、国土交通省に対し緊急要請したことを明らかにした。内容は、対象地域から他地域への移動自粛について注意喚起を徹底する―など3点。
札幌での患者が増えた場合、今後は振興局ごとなどの外出自粛を視野に入れるのかについて「あらゆることを視野に入れる。地域との往来などの呼び掛けが適切なのか、感染拡大防止に最大の効果があるよう、経済活動なども視野に入れて判断したい」と柔軟に対応する考えを示した。(山崎大和、鳥越裕子)