函館市は新年度、起業家を支援する「創業バックアップ助成金」に若者向けの新たな制度を創設する。35歳未満の対象者に、必要経費として上限100万円を補助。セミナーなどの開催と併せ、若年者の創業支援体制を充実させる。
「若者向け創業バックアップ助成金」として、予算に300万円を計上。起業予定者と5年以内の創業者が対象で、3件の採択を想定する。
既存の創業バックアップ助成金は、市と函館地域産業振興財団が2014年度に創設。上限は500万円で、15年度から北斗市と七飯町も事業に加わった。これまでの5年間で67件の応募があり、食品やIT関連など幅広い業種で14件を採択している。
創業支援に関し、市は毎年、先輩起業家を招いて体験談を聞く「創業者との交流カフェ」や学生向けのセミナーを開催。今年度は、販路拡大につなげようと、若手創業者に出店の場を提供する「チャレンジショップ」を函館蔦屋書店で初めて開いた。
意識の醸成やノウハウの伝授に加え、新年度は資金面でも支援し、若手創業者の底上げにつなげる。市工業振興課は「一通りの支援メニューを用意したことで新たな産業が生まれ、若者の地元就業機会の増加につながれば」と期待を寄せている。(山田大輔)