函館市企業局交通部は、北海道新幹線開業を記念して特別体制で運行した26、27両日の市電の利用状況をまとめた。計27運行した無料電車には、2日間で計3964人が乗車。車内での売り上げは昨年3月の最終土、日曜日と比較し約61万円多く、売り上げ、乗車人数ともに1・3倍以上に伸びた。
同部事業課によると、北海道新幹線H5系カラーの超低床電車「らっくる号」と719号車を利用した無料電車は、26日に1938人、27日に2026人が乗車。売り上げベースで26日は前年の3月最終土曜日(2015年3月28日)と比較して約57万円の増、27日は前年3月最終日曜日(同29日)と比較し、約4万円の増。無料電車利用者を含めて、1日当たり3500人の利用者増があったと推計した。
このうち、26日の早朝時間帯に函館駅発のはこだてライナーへの接続を考慮して3運行した無料電車には計70人が乗車。同日は終日混雑し、特にブルーインパルスの祝賀飛行の前後の時間帯にピークを迎え、増車して対応した。27日は午前中に湯川方面からの乗車が多かったという。
特別運行した箱館ハイカラ號、530号車も人気を集め、沿道ではカメラを構えるファンも多かった。ハイカラ號の車掌、深江麻衣さんは「新幹線で函館を訪れた乗客からは『乗れるとは思いませんでした』と喜んでもらい、地元の常連客や子どもたちにも好評でした」と話した。
同課の今野慎太郎主査は「駅前電停では行き先の分かりやすい表示の工夫が必要と感じた。大型連休や夏休みも期待しているが、混雑時の増車など臨機応変に対応していく」としている。(今井正一)