函館市は、今春から市電や函館バスに導入するICカード乗車券「ICAS nimoca(イカすニモカ)」に高齢者らの交通料金助成事業のシステムを組み込む。現行制度と同等のサービスとなるよう6000円の上限額を設定し、利用運賃の半額をカードにポイントとして還元する仕組み。新年度予算案に関連予算を計上し、システム構築を進め、2018年4月からの運用を目指す。
現行の交通料金助成事業では、満70歳以上の市民を対象に、年1回市高齢者交通料金助成券(500円券12枚)を発行。助成券と現金の併用で市電・函館バス共通の「高齢者交通料金助成専用乗車カード」を年1万2000円分購入できる。市電・函バスで使用している既存の磁気カードと同様1000円券に80円、5000円券に800円の割増分が付くため、最大で1万3760円分の利用ができる。
磁気カードはニモカの普及後、廃止となることから、市は助成制度のICカード化を検討。新たな仕組みでは、市への申請を済ませた利用者が市電や函バスに乗車。利用履歴に応じて、年6000円の上限に達するまで運賃の半額相当分をポイントで還元。ポイントは乗車時の利用や買い物での使用もできる。
助成分のポイント以外にニモカ独自の乗車料金ごとのポイント付与や月ごとの累計額に応じたボーナスポイント制度も適用になる。市保健福祉部高齢福祉課は「ニモカのポイント制度によって、既存の磁気カードの割増相当分に近い額のサービスになる」とする。
市は障害者等外出支援事業でもニモカを利用した同様のシステムを検討。17年度は新システムの構築と制度の周知期間に充てる考えで、18年度からの円滑な制度移行を目指している。(今井正一)