2016年度の函館港に寄港を予定する客船数は、本年度より14隻多い延べ29隻になる見通しだ。過去最多だった14年度の延べ37隻に次ぐ規模。郵船クルーズの「飛鳥II」(5万142トン)が8回、プリンセスクルーズ社(アメリカ)の「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5906トン)が7回寄港する。函館市港湾空港部は乗客、乗員合わせて4万6000人の入り込みを見込んでいる。
延べ29隻の乗客、乗員数は定員ベースで約5万8000人。このうち、乗客数は約4万人で、市は7割の2万8000人の来訪を見込む。近年、客船の大型化傾向が顕著で、今年は、乗客定員が1000人を超える船は延べ13隻寄港する。
「飛鳥II」は06年の初就航以来、毎年来港。4~7月は例年なら世界一周へと旅立つが、今季は国内クルーズを展開するため、函館寄港が増加した。今季1隻目(4月14日)と最終の29隻目(10月22日)が同船で、シーズン中には函館寄港通算40回目の節目も迎える。9月8日には函館を出発港に、仙台や常陸那珂、横浜に向かうショートクルーズ商品も販売するなど、今季の函館港の主役になりそうだ。
初寄港船は2隻。ポナン社(フランス)の「ル・ソレアル」(1万700トン)は5月24日に西埠頭に停泊。昨年5月入港の「ロストラル」(同)の姉妹船となる高級美食船だ。10月18日には、コスタ・クルーズ社(イタリア)のカジュアルクルーズ船「コスタ・アトランティカ」(8万5619トン)が来港。同船は昨年12月に入港中止となっていた。
5月21日には今年も2隻の共演が実現予定。港町埠頭には、12年以来通算3回目となるロイヤル・カリビアン・インターナショナル社(アメリカ)の「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」(6万9130トン)、西埠頭にはおなじみの国内船で日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594トン)が寄港する。
「ダイヤモンド・プリンセス」の寄港は3年連続で、6~10月に巨大な船体を楽しめる。プリンセス社の「サン・プリンセス」(7万7441トン)が7月に2年ぶりに来港。このほかにも「フォーレンダム」「シルバー・ディスカバラー」「にっぽん丸」などの予定があり、小型の冒険船からラグジュアリーシップまで、多彩な船が函館港ににぎわいをもたらすシーズンとなる。(今井正一)