函館市元町のハリストス正教会(児玉慎一神父)は29日、保存工事を終えた聖堂で修復成聖式を執り行った。市民ら約60人が参列し、末永く聖堂が維持されることを願った。
修復成聖式は教会建物と神とのつながりを回復する儀式。修復工事は2020年12月に着工し、内壁・外壁の塗り替え、緑青色が特徴の屋根の銅板のふき替え、鐘塔の耐震化などを実施。聖堂はすでに工事を終え、今月23日に使用できる状態となった。
儀式は鐘の合図で始まり、祈祷文が唱えられ、聖歌が響くと、聖堂内は厳かな雰囲気に包まれた。児玉神父らは十字架などを手に参列者と共に建物の屋外を周回し、祈りをささげた。
祈祷の後、式典が行われ、函館市の工藤寿樹市長らが祝辞を述べ、工事に携わった関係者に感謝状が贈られた。
今後、遊歩道など教会周辺の整備が進められ、竣工は3月末を予定。2月4日以降、聖堂内で土、日曜に予定する祈祷は一般市民も拝観でき、児玉神父は「また聖堂で祈祷ができるのは喜ばしいこと。工事を終えた教会にぜひ多くの人に足を運んでほしい」と話していた。(飯尾遼太)