冬本番に備え、函館市企業局交通部は21日、除雪用車両「ササラ電車」の試運転を行った。雪をはらう竹製ブラシの回転具合や安全に走行できるかなどを確認し、出動態勢を整えた。
函館市電のササラ電車は明治時代に客車として製造されたものを、1937(昭和12)年に除雪車両として改造。80年以上が過ぎても現役で2両が活躍する。
車体の前後には竹を細かく割った束(ササラ)を約800束以上取り付けている。2021年度は12月13日から22年3月6日までの13日間で計15回出動し、走行距離は295・716キロを記録した。
この日は駒場車庫内で整備担当が点検を行ったあと、五稜郭公園前までの往復約5キロを走行した。同部施設課の吉田清彦主任(49)は「雪はいつ降るか分からないので、いつでも出動できるように整備した。ぜひ函館市電を利用してほしい」と話した。(小杉貴洋)