日本文化に高い関心を寄せ、三味線を学ぶ2人の外国人留学生が函館にいる。米国コロラド大ボルダー校に通うハンナ・ラセックさん(23)とミシガン大学院生の劉清雅(リュー・チンヤ)さん(21)。三味線を自ら購入したり発表会に参加するなど、ともに習得への意欲はおう盛で、2人は「独特の音が面白い」と、すっかり魅了されている。
2人は、道国際交流センターの日本語日本文化講座夏期セミナーに参加しており、8月6日まで日本語や日本文化を学んでいる。6月14日、同センターで行われた江差追分体験で、内村悦子さんが演奏する三味線演奏を目の当たりにしたことが2人が取り組むきっかけになり、内村さん宅を週1回訪れて練習に励んでいる。
ラセックさんは大学で日本民謡クラブに在籍しており、三味線に触れたことはあったが、内村さんの演奏を聞いて弟子入りを志願。自前の三味線を購入するに至り、練習を怠らない。劉さんは「日本に来たからには、日本でしかできないことをしよう」と、幼少時のピアノ経験を生かして門をたたいた。
三味線演奏に楽譜はなく、すべて音感や身体で覚えなければならないが、内村さんは「2人とも筋が良い。劉さんに至っては未経験ながら覚えが早いので驚いている」と話す。
好日家というラセックさんは「米国で三味線や日本の良さを伝えることも考えているが、日本で働けるなら働きたい」と目を輝かせる。
また、劉さんは26日、同センターで行われる留学生向けの発表会で三味線を披露する。「演奏だけでなく、三味線やソーラン節の歴史についても紹介できれば」と意気込んでいる。(半澤孝平)