【北斗】昨年惜しまれながら引退したJR寝台特急「北斗星」の客車2両が5日、保存場所となる北斗市の旧茂辺地中学校グラウンドに到着、移設が完了した。札幌市のJR北海道苗穂工場から、専用トレーラー3台を使って陸送。茂辺地活性化の夢を乗せたブルートレインは、8月7日に一般公開が始まる。
北斗の市民団体「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」(澤田導俊代表)が、なじみ深い北斗で保存する計画を立て、クラウドファンディング(ネット上で賛同者から資金を集める仕組み)を中心に集めた資金を移送に充てた。
客車2両と車輪部分をトレーラーに載せ、3日午後9時に苗穂を出発。後志管内倶知安町や長万部町などを経由し5日午前5時、茂辺地に着いた。
多くの地元住民や鉄道ファンらが見守る中、大型クレーン2台でつり上げ、車輪と客車の順に、丁寧に線路上に置かれた。グラウンド東側に新しく敷設した線路は高さ1メートルあり、客車の車窓から茂辺地川の流れが見られるという。1両は開放型B寝台車、もう1両はロビー室とB個室ソロの合造車で、内部公開した後、カフェや宿泊施設として使うことも検討する。
作業を見守った澤田さん(36)は「皆さんの思いが詰まった列車を設置でき、ほっとした。今後は活用方法を考えながら、整備に専念したい」と笑顔を見せた。山本昭宣茂辺地町内会長(72)は「やっと運ばれてきたので、今度は保存する責任を感じる。茂辺地の活性化にどう生かすか、これからが大事だ」と話していた。
8月7日の公開は午前10時~午後3時。観覧無料。(山崎大和)