海を食べよう―。子どもから大人まで、科学を身近に感じる実験やワークショップなどを催す「はこだて国際科学祭2016」(サイエンス・サポート函館主催)が8月20~28日、函館、北斗両市と七飯町の14会場で開かれる。道新幹線開業を迎えた今年の大きなテーマは「食」。青森からも科学体験ブースが出展され、青函エリアに目を向けて津軽海峡から食の今を探る。
科学祭に先立って開くプレイベント(7月23日~8月14日)も含め、30のプログラムを予定。メーンイベントのパネル企画展では、道南の食の基盤となる海、津軽海峡からの視点で、食が直面する問題などを考える。
青函連携の取り組みとして、青森県立三沢航空科学館と八戸高専がサイエンスショーや実験を披露。また、道新幹線の電気設備を担当する明電舎の技術者をゲストに工事の苦労話を交えたトークショーや、電気で動く新幹線の秘密に迫る科学屋台を出展する。
8月20日の初日には、かき養殖家で海を育む森づくり活動に取り組む畠山重篤さんによる講演会。プレイベントで野菜の収穫体験や調理などを通じ農業への知識を深める「大人の畑ツアー」を初めて企画するなど、子どもだけでなく、大人が科学に接する機会を提供するのも特徴だ。
また、地域のカフェを会場にしたり道南地域で活躍する水産食品加工者や栄養教諭がプログラムに参加したりするなど、まちぐるみでイベントを盛り上げる。サイエンス・サポート函館の美馬のゆり代表は「科学を身近に楽しむことが、地域の課題を解決する人材の育成にもつながる」と期待を込める。
詳細は公式ウエブサイト(http://www.sciencefestival.jp/festival/)へ。(蝦名達也)