函館市内の18日発表分の新型コロナウイルスの感染者数は、1日としては過去最多となる45人を記録した。このうち30代以下(年代非公表を除く)は33人と、全国と同様に若年層の感染が目立っている。感染力が高い変異ウイルス「オミクロン株」への置き換わりが進んでいるとみられ、関係者は危機感を募らせている。
函館市内の感染状況は、昨年12月は2日(発表分)の1人のみと落ち着いていたが、年末年始の帰省や旅行などの影響で年明けから増加傾向に。14日(同)からは10人以上が続き、18日(同)にはこれまで1日あたりで最多だった昨年1月16日(同)を抜いて45人と増加した。特に20代は男女ともに計28人と全体の6割近くに達した。
昨年1月は5件のクラスター(感染者集団)が確認され、その月だけで約300人が感染。重症者も多く、医療ひっ迫の危機にも瀕した。一方で今年は直近3連休では道南で成人祭などに伴う帰省も増えたことが増加の要因とみられる。
ただ、オミクロン株は感染力は強いとされるが、重症化のリスクは従来より低いという報告もあり、ワクチン接種の影響もあってか軽症または無症状者が多いという。どこで感染するか分からないことから、市立函館保健所は「3密対策、喚起の徹底、マスクの着用、手指消毒など、これまで同様の感染症対策を再度徹底してほしい」と呼び掛ける。
18日夕には工藤寿樹市長が動画配信サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルに動画を寄せ、「感染拡大地域との往来はできるだけ避けていただきたい」などと呼び掛けた。
市立函館病院(森下清文院長)では、8日から入院患者への面会を禁止するなど院内感染防止対策を強化。職員にも同居者以外との飲食自粛を呼び掛けている。同院庶務課によると、職員の大半は3回目のワクチン接種はほぼ終えているが「(3回目の接種が)オミクロン株感染を防ぐことができるのか分からないので、あらためて対策を徹底する」としている。このほか、市内の宿泊療養施設には17日現在、38人が滞在しているという。(小杉貴洋、小川俊之)