第16回函館歴史文化観光検定(はこだて検定、函館商工会議所主催)の合格者がこのほど発表され、上級では受験者59人中8人が合格した。このうち、函館市本通2の通訳案内士、三浦由利子さん(62)が上級試験初挑戦で合格をつかんだ。はこだて検定合格者の会(山本和雄会長)によると、初挑戦での合格は珍しく、三浦さんは「合格を機に函館に関してより深く知り、さらに勉強していきたいという気持ちになった」と意欲をのぞかせる。
三浦さんは国内旅行のバス添乗員をしていた経験を生かし、2014年にインバウンド(外国人訪日客)への観光案内を行う全国通訳案内士の資格を取得。さらに函館の歴史や文化に関する知識を身に付けようと、同年にはこだて検定初級を受験し、合格。通訳案内士として19年まで活動していた矢先、新型コロナウイルス禍がインバウンドの来函を直撃した。
そうした中、合格者の会メンバーから誘いを受け、昨春入会。7~9月には同会が開く受験講座にも参加し、上級試験合格に向けて対策を続けた。「会のメンバーは何気ない会話から函館の歴史の話に花が咲き、刺激を受けた。対策では歴史上の事柄を一つ知ると、関連する出来事に興味が広がっていき、もっと知りたいと思え、学ぶのが楽しかった」と振り返る。
コロナの影響は長期化し、インバウンド需要回復の兆しはいまだ見えないが、三浦さんは、合格者の会が8月から始めた観光ガイド「話術調所(わじゅつしらべしょ)」に参加。「上級試験に向けての学びは案内士の仕事にも役立つ。さらに勉強し続けて観光客に満足してもらえる案内を目指したい」と意気込んでいる。(飯尾遼太)