函館市谷地頭町の函館八幡宮(川見順春宮司)で2日、境内に向かう急斜面の石段を北海道和種馬(ドサンコ)が駆け上がる「騎馬参拝」が行われた。昨年は1頭のみで実施したが、今年は10~15歳の3頭が大勢の参拝客が見守る中、境内に向かう134段の石段を駆け上がった。
同市東山町の「函館どさんこファーム」(池田賢治代表)が、ホーストレッキングの安全祈願や、本道開拓に活躍したドサンコの歴史や文化を知ってもらおうと1999年から続けている。新型コロナ禍のため昨年は中止も考えたが伝統行事を絶やさないように継続。今年は馬を増やしたが、密集を避けるため参拝後の子どもを対象とした乗馬体験は引き続き行わなかった。
騎乗者は武者装束に烏帽子(えぼし)姿で馬にまたがり、正午にスタート。ひづめの音を響かせ、ゆっくりしたペースで登りきった。同ファームの池田茂会長(68)は「今年も昨年に続き、コロナが収束し早く普通の生活に戻ることを願いながら馬を進めた。乗馬のサービスができず残念で、来年こそは楽しんでもらえるようになってほしい」と話した。
池田さんに続いて騎乗したのは春に高校受験を控える函館本通中学校3年の日角陸磨さん(15)と落合好誠さん(同)の2人で、野球部の日角さんは「高校に入ったら甲子園に行けるようにと願いました」、落合さんは「人が多かったが馬が暴れず無事終えて良かった。志望校合格を祈りました」と話した。(山崎純一)