冬本番を間近に控え、函館市企業局交通部は10日、除雪用車両「ササラ電車」の試運転を行った。雪をはらう竹製ブラシの回転具合や車両が安全に走行するかなどを確認し、出動への態勢を整えた。
函館市電のササラ電車は明治時代に客車として製造されたものを、1937(昭和12)年に除雪車両として改造し、80年以上を経てもなお現役で2両が活躍する。
車体の前後には竹を細かく割った束(ササラ)を約900束取り付けている。プラスチックブラシに比べ強度があるのが特徴だ。2020年度は12月15日から21年2月3日までに計12両出動し、走行距離は222・997キロを記録した。
この日は駒場車庫内で整備担当が点検を行ったあとに、五稜郭公園前までの往復約7キロを走行し異常がないことを確認した。同部施設課技師の谷上洋佑さん(26)は「お客さまのために安全運行できるよう取り組みたい。プライド持ってやっていきたい」と話した。(小杉貴洋)