北海道付近が日本海北部の低気圧を含む気圧の谷の中となり、低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み大気の状態が非常に不安定となったため、渡島地方の東部と西部は2日、断続的な大雨となった。この影響で一部地域で避難指示が発令されたほか、道路の通行止めや交通機関に乱れが出た。
函館地方気象台によると、木古内町で午後1時半ごろまでの1時間雨量が統計開始(2004年)以来1位となる136・5ミリを記録。1日午後6時の降り始めから2日午後5時までの雨量は218・0ミリで、11月の月平均降水量(122・4ミリ)の約1・8倍に相当する大雨となった。
このほか降り始めからの雨量は、知内187・5ミリ(1時間最大66・0ミリ)、福島町千軒170・0ミリ(同57・0ミリ)、函館市川汲126・0ミリ。また、北斗市南部付近では解析雨量として、午後4時4分までの1時間に約100ミリの雨量があった。
この影響で、道などは2日午後6時現在で木古内町、北斗市、森町、函館市、鹿部町に土砂災害警戒情報が発令され、函館市は南茅部地域の220世帯498人を対象に避難指示を発令。知内、木古内、北斗、森でも計1508世帯、2422人に避難指示が発令され、木古内町中央公民館に11人が一時避難した。午後9時現在、北斗市茂辺地住民センターに2人、石別小学校に9人が避難している。人畜被害は確認されていない。
JR北海道によると、大雨の影響で北海道新幹線は2日午後から新函館北斗―新青森間の上下線で終日運転を見合わせた。この影響で、東京―新函館北斗間の「はやぶさ」「はやて」計17本が新函館北斗―新青森間の上下線で全区間または部分運休し、計約1900人に影響が出た。在来線は函館線渡島沼尻―鹿部間で雷害によるものとみられる軌道回路の不具合が発生し、普通列車3本が経路を変更。3日は函館―森間で早朝の普通列車3本が運休を決めた。
道南いさりび鉄道は函館―木古内間の上下線18本を全線または部分運休した。3日も始発から函館、上磯、木古内発の計10本の運休を決めている。
函館市電は2日午後2時ごろ、青柳町18の市道西部環状線沿いの電柱が強風の影響で傾いたため、十字街―谷地頭間の運行を一時中止し、午後6時20分に運行を再開した。
また、道開発局は、落石・土砂崩れの恐れがあるため国道228号の北斗市矢不来―同市茂辺地大橋間2・3キロを2日午後7時から通行止めとした。迂回(うかい)路は函館江差自動車道。渡島総合振興局は道道5路線を通行止めとした。
同気象台によると、渡島・桧山地方では、3日夕方にかけて竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうが降る恐れがあり、農作物の管理や屋外の活動などに注意を呼び掛けているほか、最新の防災気象情報や竜巻注意情報に留意を呼び掛けている。