「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録などを祝い、垣ノ島遺跡で行われた祝賀セレモニーでは、道南の高校生らがアトラクションに参加して花を添えた。特に構成資産の2遺跡が近い南茅部高校縄文クラブ(加我謙典部長)は、縄文時代の人びとの生活ぶりを再現した展示を行い、来場者に縄文の魅力を伝えた。(海老田暁)
同クラブは縄文文化を発信し、地元の遺跡をPRしようと不定期に活動している。昨年度は土器やシカの角を使ったアクセサリーづくりを体験し文化の理解に努めた。今年度は市縄文文化交流センターと協力し、垣ノ島、大船両遺跡の周知に向けたポスター制作にも取り組んだ。
復元された竪穴住居跡の中では部員が、当時主に食べられていたとされるクルミを、石皿の上で割った。加我部長(18)は「(住居跡は)現代人には狭く感じる。クルミ割りは簡単そうに思ったが難しい。当時の人はきれいに割っていたのだろうか」と思いを馳せた。
土器の野焼き体験の展示では、同クラブの荒木ののかさん(18)と諸井楓恋さん(17)、酒井詩帆さん(16)は、土器のプリカを手に「道具もない時代に、土器などを作り上げた縄文時代の人びとの発想力に驚かされる」と声をそろえた。
このほか、垣ノ島遺跡のオープン記念式典開始に先立ち、アトラクションとして函館巴太鼓振興会のメンバー約10人による勇壮な演奏と、市立函館高校のチアリーディング局による華麗なダンスが披露され、祝賀ムードを盛り上げた。