新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった東京五輪聖火リレーの代替イベント「聖火ランナーの皆さんに思い出を~聖火ランナーを囲んでのフォトセッション」(函館市教育委員会主催)が17日、千代台公園陸上競技場で開かれた。函館市内を走る予定だったランナー8人が参加し、競技場内のトラックを駆け抜けた後、トーチを囲んで記念撮影を楽しんだ。
市内では6月13日に緑の島から市役所までの聖火リレーが予定されていたが、道への緊急事態宣言延長を受け、直前に中止が決定。市教委は独自の代替イベントを企画し、道と協議を重ねてきた。
イベントは函館巴太鼓振興会の勇壮な演奏で幕開け。続いて8人の聖火ランナーが1人ずつ入場し、会場に集まった家族らの声援に手を振って応えながらトラックをランニング。市内の陸上少年団に所属する子どもたちが伴走を務めた。
五輪の規定により、トーチを持って走ることはできなかったが、フォトセッションでは2本のトーチを掲げて、8人のランナーと工藤寿樹市長、辻俊行教育長、伴走を務めた子どもたちが笑顔で記念撮影に臨んだ。
工藤市長は「聖火リレーが中止になったのは残念だったが、五輪開幕前に代替イベントが実現できて本当によかった。函館からは4人の選手がオリンピックとパラリンピックに出場するが、皆さんの熱い思いが届いてメダル獲得につながることを期待したい」と話した。
8人のランナー中、最年長で小笠原アカデミー教育振興財団の小笠原孝理事長(92)は「聖火リレーに向けて毎日練習をしていたので、今日は気持ちよく走ることができた。函館出身の選手の活躍が楽しみ」と話していた。(小川俊之)