函館碧血会(北原善通会長)は19日、函館山のふもとにある戊辰戦争(1868~69年)の旧幕府軍戦死者をまつる碧血碑周辺を清掃した。25日に碑前慰霊祭を予定し、先人に思いをはせながら、草刈りをするなど、環境を整えた。
碧血碑は箱館戦争終結後に柳川熊吉らが、市街地に放置された戦死者の遺体を回収、埋葬したことに始まり、榎本武揚、大鳥圭介らの尽力で1875(明治8)年に建立。石室内には「戊辰以来戦死之霊璽」と書かれた木製の霊璽(れいじ)などが収められている。
建立から146年となった碑の上部には雑草が生えるなど、老朽化も目立つ。同会も市に働きかけながら清掃、修繕の方法を模索しているが、費用面など課題も多いという。木村裕俊事務局長(73)は「だいぶくたびれてきているので、全体をきれいにできるといいのだが」と悩む。
毎年6月25日に実施している慰霊祭は新型コロナウイルスの影響で昨年に引き続き、同会役員ら函館の関係者のみで実施する。木村事務局長は「全国各地からも問い合わせをもらっているが、今年も役員のみの慰霊祭となることは残念至極。コロナ禍が終息し、普通の慰霊祭を執り行うことができれば」と話していた。(今井正一)