がん治療の手術痕などで、温泉に入ることに抵抗を持つようになった女性を対象に、温泉を貸し切るイベント「乙女温泉@函館」が16日午前11時を皮切りに、毎月第3水曜日に、ホテル笑(えみ)函館屋(湯川町3・植澤大作支配人)で開かれる。
「乙女温泉」は兵庫県尼崎市在住で乳がんの経験者の渡辺愛さんが、がん当事者向けのアンケートに寄せられた声をきっかけに始めた活動。2020年10月に銭湯を貸し切って女性限定の入浴イベントをひらいた。
函館では函館市女性会議の佐々木香会長が呼び掛け人。過去に佐々木さんが友人でがん当事者の女性から「医療用かつらをつけて温泉に入っても楽しめなかった」という話しを聞いていたことがきっかけで、乳がんだけではなく全ての女性がん経験者に対象を広げている。
会場は函館湯の川温泉旅館協同組合の川崎研司事務局長からの紹介。佐々木さんの話を聞いて即決したという植澤支配人は「自分が普段考えもしないところで困っている方がいることを聞き衝撃を受けた。ゆったりと温泉を堪能し、参加者の皆さまが笑顔になってもらえれば」と話す。佐々木さんは「函館の観光地はコロナ禍でどこも影響を受ける中、地元の温泉地・湯川を会場にできてうれしい。5月にプレで開催した際には『がん治療後はじめて温泉に入れた』と喜びの声をいただいた。ゆったり温泉を楽しんでもらうとともに当事者同士の交流の場の提供になれば」と参加を呼び掛けている。
当日は、看護師が待機するほか、希望者には臨床美術士の中村まゆみさんやヨガセラピストの児玉典子さんのワークショップも予定。定員は15人で、14日までに申し込みが必要。入湯料1000円と希望者のみ昼食代が必要。問い合わせは(honoka.20110122@gmail.com)佐々木さんまで。(伊藤 尚)