函館市内の5月単月の新型コロナウイルス新規感染者(発表分)は、31日で120人に達した。今年1月の281人以来3桁超えは4月までなかっただけに、市立函館保健所地域保健課は「家庭内だけでなく、職場内でウイルスが広がった事例が目立っている。気を緩めず、再度感染予防対策の基本を徹底してほしい」と市民に要請している。
同市内ではこの1カ月、2日の10人を最高に、13、18、19の各日に8人を数えたほか、感染者がいなかった16日を除き連日3~5人前後で推移するなど感染拡大が続いた。クラスター(感染者集団)も医療機関1カ所で認定した。
年代別では、非公表の38人が最多。次いで60代が17人、50代が16人、40代が15人と続くなど「働く世代」への感染拡大が明らかになったほか、各年代で感染者が発生した。同課は「函館でも春の大型連休前から、従来株より感染力が強い英国型変異株に置き変わっていたとみられる。連休に伴う流行地との往来増加をきっかけに家庭内にウイルスが持ち込まれ、近親者間に広がったのが感染者増加の一因」とする。
同課はまた、今月に入り企業など事業所内での拡大傾向がみられるとした上で「職場で同僚との食事や会話の際にマスクを外したために感染したと考えられる事例もある。家庭内感染と同じ状況が職場でも起こっている」と分析する。
同課は「家庭や職場で、親しい間柄の人同士でもマスクを着用して会話するなどの対策が必要」と呼び掛けている。(海老田暁)