函館市内の新型コロナウイルス感染拡大のペースが1月に入って加速している。昨年11月の71人、12月の89人を大きく超え、2週間ほどで100人を突破した。市立函館保健所は年末年始の帰省や往来に起因する感染が増えているとし、「ひっ迫に近い状況にある」と警戒感を示した。現時点では医療や宿泊療養施設では差し迫った状況にはないというが、「この状態が続けば…」と関係者は危機感を募らせている。
市内では1月に入ってから感染者が急増し、14日検査分を含め、計103人と感染拡大の勢いが増している。加えて、函館市と北斗市内の福祉施設で14、15日の2日間で3件のクラスター(感染者集団)も発生。市病院局の桐澤睦巳管理部長は「病院だけでなく、宿泊療養施設も13~14日の2日間でコロナの状況が急変した」と危機感を示した上で「今後も増加が続くことを見据え、治療に当たる職員の増員も視野に入れて対応したい」と話す。
市立函館病院では、新型コロナウイルス患者の受け入れ病床を47床確保。15日午後3時時点で、重症患者向けは6床のうち4床、中等症IとIIは各1床、軽症は6床の計12床が埋まり、使用率は25・5%となっている。国の新型コロナ対策分科会が示す「ステージ3」の指標(確保病床使用率25%以上)を超えており、桐澤部長は「この水準が続けば、職員の疲弊感や緊張はさらに高まる」と不安を口にした。
無症状や軽症者が療養する宿泊施設として昨年11月に運用が始まった「東横イン函館駅前大門」(松風町)は14日現在46人(定員110人)と、収容率は約40%といい、前日比では11人増加した。道は「現段階ではひっ迫状況にはないが、この状況が続けば2棟目のホテル開設も検討が始まる」としている。(小杉貴洋、長内宏人)