【福島】町日向の鳴海健児さん(81)の、町特産のコンブを使ったしめ飾り作りが佳境を迎えている。11月から連日深夜まで作業し、今年は約120点を制作した。
鉄工所を営む鳴海さんは、地場産品のコンブやアワビなどを用い、北前船や北海道新幹線、毎年の干支などの工芸品を作り続けている。
しめ飾りは2007年から作り始め、今年で14年目。地元漁業者から提供されたコンブや稲穂を配置し、その周りに縁起物を飾りつける。今年は町出身の横綱千代の富士の雲竜型を参考に、2つの穴は青函トンネルをイメージした。また、新型コロナウイルス対策の新しい生活様式の実践を監視する「目玉シート」を上部に配置した。
完成品は町内外の知人や周辺の役場などに配布。町内はそば畑の松前神楽、松前町は松前城というように、贈り先に応じてデザインも変えている。
鳴海さんは「昔は、各家庭でしめ飾りを作っていた。その風習を大事にしたいという思いで長く続けてきた。今年は新型コロナウイルスの収束を願って作った」と話している。(佐藤由紀彦)