今年度の「函館空港消火救難救急医療総合訓練」が29日、函館空港で行われ、同空港事務所のほか警察や消防、航空会社、海保、自衛隊、医療機関など36機関245人が緊急時の対応と各機関の連携を確認した。
同空港は大規模な事故に備えて同訓練をほぼ毎年実施し、今回で15回目。訓練はエンジンから出火した旅客機が同空港に緊急着陸し、滑走路を外れて炎上、多数の負傷者が出たという想定で、市医師会看護専門学校の学生36人が乗客にふんした。
旅客機に見立てたバスが到着すると発煙筒の煙が上がり、空港消防、つづいて市消防が消火にあたった。市立函館病院のDMATが空港消防の設置した救難所で負傷者のけがの程度を判別するトリアージと緊急医療を実演した。負傷者役の学生たちはドクターヘリや救急車へ搬送された。
今回の訓練は参加者の迅速な対応で、当初の予定よりも早く終了した。近藤匡生空港長は訓練後講評で「実地の訓練で得られる経験は代えがたい。函館空港の運営は来年3月1日から北海道エアポートに引き継がれるが、引き続きこの経験を活かして」と呼び掛けた。(神部 造)