函館滞在中の日本中央競馬会(JRA)所属の騎手有志が22日、函館競馬開催に感謝を込めて、湯川町の海岸で清掃ボランティアを実施した。日本騎手クラブ会長の武豊騎手(51)や函館市出身の丹内祐次騎手(34)ら騎手30人とJRA職員約10人が参加した。
市民の理解、協力を得ながら13日に無観客で函館競馬が開幕を迎えたことに感謝の意を込め、藤岡佑介騎手(34)がボランティアを提案。武騎手のほか、岩田康誠騎手(46)、池添謙一騎手(40)ら函館に滞在している若手からベテランまで、有志が自主的に参加した。
活動前に代表して武騎手が「函館で開催できたことにホースマン全員がマチに対して感謝している。地域住民に何か返せることがないかという話になった。感謝の気持ちで競馬を通して盛り上げていきたい」とあいさつした。
全員がマスクと軍手を着け、ごみ袋と火ばさみを持ち、目を凝らしながら広範囲にわたって砂浜を歩いた。意欲的にペットボトルなどを拾い、約30分の活動で約60袋を集めた。
小、中学時代に湯川の海岸で遊んでいたという丹内騎手は「懐かしい場所でのごみ拾いは気分が良い。今年は函館で乗れないと思っていたので感謝。函館は特別な場所で調教も含めて気持ちがみなぎっている」と笑みをこぼした。
提案した藤岡騎手は「開催が危ぶまれた中で仕事をさせてもらっているので、何か行動を起こしたかった。函館競馬は客との距離が近いので無観客はさみしい。一日でも早く元通りの競馬ができれば」と願いを込めた。(山崎純一、小林省悟)