老齢化が進む五稜郭公園内のサクラに市民や地域貢献活動に取り組む企業のボランティアが施肥するプロジェクト「サクラの木へお礼肥」が17日、同公園内で始まった。初日は午前、午後合わせて約40人が参加。樹木医の指導を受けながら土壌の環境整備に汗を流した。
同公園内には現在約1600本のサクラがあるが、多くは植栽から60年以上が経過している。近くで鑑賞できる分、根が張っている周りの土が踏み固められ、生育状況の悪化につながり、枯死する可能性もあるという。それを防ぐために同プロジェクトを市住宅都市施設公社が企画した。
初日は賛同した市民や五稜郭タワー、第一生命保険などの職員が参加。午前中は樹木医の斉藤保次さんの指導を受けながら、養分や水分を吸収するための細かい根が張り巡らされているサクラの木の周辺に穴を掘って、効果が違う4種類の肥料を与えた。
参加者は斉藤さんから同公園のサクラの歴史や、木や葉の見方などを学んだ。参加した市内在住の70代の無職女性は「太い根も大事だが、周りにある細かい根が栄養吸収には大切なことを知った。自宅にもサクラがあるので施肥したい」と話した。
同公社花と緑の課の渡辺千嘉子課長は「後世にサクラを受け継ぐ活動に、たくさんの方が協力してくれてうれしい。来年も満開のサクラが咲いてくれるはず」と期待した。24日まで参加を受け付けている。問い合わせは同公社(0138・40・3605)へ。活動は30日まで行われる。(小杉貴洋)