紙器製造販売の丸栄堀川紙器(函館市東雲町)は14日から、車などに貼れる函館在住を示すステッカーを販売する。他地区ナンバーの車やドライバーに対し嫌がらせをするいわゆる「他県(地区)ナンバー狩り」が全国各地で問題となる中、考案した取締役経営企画室長の花岡孝一さん(36)は「怖い思いをしている人に自衛のため使ってほしい」とする。
花岡さんは東京都出身で、4年前から函館に住んでいる。日ごろ函館ナンバー以外の車を運転する機会も多く、取引先から心配されたこともあって自衛のためにとステッカーを製作。その後はこだて柳屋の公式ツイッターで紹介されたことで注目を集めた。
他地区ナンバーの車に、妻や1歳になった息子を乗せることも多く、「不安だったが、ステッカーが差別意識の助長につながるのでは」との思いから、当初は販売を予定していなかった。ただ、ツイッターで公開して以降、同じように不安を抱える人からの少なくない要望を受け、販売を決意。「郷土愛から欲しいという声もいただくが、このステッカーが生まれた背景を考えると、本来は必要とされないことが望ましい。あくまでも函館に住んでいて他地区ナンバーの車に乗る機会があり、不安を抱える人に使ってほしい」としている。
ステッカーは赤と黒の2種類で、わかりやすさを意識してハンコのようなデザインに仕上げた。1枚330円(税込み)で、大きさは10センチ四方。販売場所は同社事務所のみ。問い合わせは同社(0138・23・8121)へ。(野口賢清)