大型連休の後半の5連休がスタートした2日、道南は南から暖かい空気が入ったことで気温が上がった。気象庁の速報値によると、森で6月下旬並みの21・3度、北斗は6月中旬並みの19・8度、函館が6月上旬並みの18・3度、木古内は20・3度と7月上旬並みを記録。行楽日和となったが、新型コロナウイルスの影響で観光地の人影はまばらだった。(稲船優香、山崎純一、木村京子)
○…函館市元町の教会群、八幡坂は、例年だと国内外から訪れた団体旅行客がガイドに先導され往来するが、ほとんど人通りがなかった。末広町から散策で来たという女性会社員(33)は「テレワークが続き、ようやく休みなのでウオーキングをすることにした。西部地区に住んでいてこの時期に観光客が増えると春到来を感じていたのに。この異様な光景は信じられない」と話していた。
○…1日にサクラ(ソメイヨシノ)の満開が観測された五稜郭公園は、郭内の立ち入りが禁止されており、外周を散策する人の姿が見られた。
市は宴会の自粛や火気の使用禁止を呼び掛ける看板を設置している。家族3人と訪れた亀田港町の主婦、吉岡美子さん(56)は「来年は人通りが戻ってほしい」とサクラを眺めた。一方、近くに住む70代無職男性は「思ったより人が多い。堀の外周も入れないようにできないのか」と話していた。
〇…函館朝市はほとんどの店が営業を自粛。観光客はほぼ見かけず閑散とした光景が広がっている。
鮮魚販売店の店員は「来店客は1日に多くて10人くらいだが、働かなければ生活できない」と苦しい胸の内を明かす。札幌市から友人と日帰りで訪れた30代の会社員男性は「店がどこも開いていないのは知っていたが、連休じゃないと観光ができないので来た」と足早に立ち去った。