新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人と人との間に十分な距離をとる「ソーシャル・ディスタンシング」の取り組みが函館市内でも広がっている。スーパーやハンバーガー店ではレジ前で間隔を取って並ぶよう呼び掛け、店内の飲食スペースの席を減らすなど対策を講じている。
函館、近郊でスーパーを展開する道南ラルズは11日ごろから全18店で、1メートル程度間隔を空けて並ぶようレジ前の床に案内と目印を設置。函館市港町1の「スーパーアークス港町店」では、取り組みを始めた当初は従業員が誘導していたが、その後は客が自然と間隔をとって並ぶようになったという。
店内に約25席ある飲食スペースは座席を半分程度に減らし、客同士の距離を広げている。佐藤正人店長は「普段は家族で買い物を楽しんでほしいが、新型コロナウイルスの感染が収まるまでは、必要最低限の人数で来店して」と呼び掛けている。
ハンバーガーチェーン店のラッキーピエロは17日から、間隔を空けて並ぶよう求める案内をレジカウンターに張り出し、床にも目印を付けた。
函館市末広町で約150席がある「マリーナ末広店」の周辺では、金森赤レンガ倉庫が休業。スターバックスコーヒーも20日から営業を見合わせる。ラッキーピエロの王未来社長は「温かい料理をすぐ食べられる店が少なくなったが、求める人がいる限り提供する使命がある。お客さまが安心して商品を受け取れるよう気を配りながら、コロナに負けないよう頑張りたい」と話している。(山田大輔)