道教育大函館校の学生が住居として暮らし、古民家を活用したさまざまな取り組みを進めている函館市弁天町23の旧野口梅吉商店わらじ荘で18日から、同所にある本を貸し出す「図書工房てまひま」の取り組みがスタートする。学生が道南スギで受け渡し口を製作した「手動図書館」で、外から絵本を借りることができる。
同所で生活する学生らは3月に休校中の子どもたちに「おうちで図書館」として、絵本やキャンドルなどを市内・近郊に住む55人の園児や小中学生に届けた。今回は子どもだけでなく、より幅広い年代に絵本に触れてほしいと企画。学生が手づくりした受け渡し口を同所正面にある格子に設置し、「ドキドキ」「ワクワク」などテーマに合わせた絵本を貸し出す。
また、同日から同所では多国籍居酒屋「カルペ」をプレオープンする予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開店を見合わせる。料理を担当する道教育大函館校4年の岩崎豪さん(24)が昨年、留学で滞在したポルトガルの料理店でインターンシップを経験。そこで学んだ多国籍料理を提供しようと準備していた。岩崎さんは「料理を通じて地域の人々が交流できる場を作りたいと思ったが残念。オープンできるようになったら老若男女、広い年代に料理を楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。
図書工房てまひまでも、地域に開放し、同所内でものづくりワークショップの開催などを企画していたが、感染拡大の影響で当面の間、本の貸し出しのみ実施する。企画した同校4年の下沢杏奈さん(22)は「絵本で家での時間を楽しく過ごしてほしい」とPRする。
営業時間は正午から午後5時までで、貸し出しは予約不要。問い合わせは下沢さん(080・3044・0630)へ。(飯尾遼太)