函館市青函連絡船記念館摩周丸(若松町)は2月3日から、船体改修工事のため休館する。同5日には工事が行われる函館どつくに向けて、17年ぶりにタグボートでえい航される予定。函館港に静かにたたずむ船が海の上を動く姿が、久しぶりに見られることになりそうだ。
摩周丸は2002年、旧函館シーポートプラザから市が買い取り、翌03年から記念館としてリニューアルオープン。現在はNPO法人語り継ぐ青函連絡船の会が指定管理者となって運営している。
18年9月に渡島半島付近を通過した台風15号の影響で、船体を係留する4基のアンカーのうち、船尾左側のアンカーのチェーンが切れて1カ月以上休館。応急措置を施して営業を続けた中、「他のチェーンも切れる恐れがある」(市企画部)ことに加え、船体もさびなど腐食が目立っていたことから、市は昨年6月の補正予算で6500万円を計上した。
お色直しに伴うえい航は03年1月以来で、昨年11月下旬から工事に向けた準備が進められている。天候の様子をみながら、5日午前中に離岸作業が行われる見通し。船の横では若松埠頭(ふとう)の工事が行われており、市企画管理課は「船の長さや水深、水中のくいの場所などを確認しながら、慎重に行うことになる」としている。
船は改修工事を経て2月下旬から3月上旬をめどに岸壁へ戻り、3月6日に再開館の予定。工事期間中は岸壁周辺を立ち入り禁止とする。(千葉卓陽)