国内外で活躍する料理人が集う「世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催、深谷宏治代表)が28日、函館市芸術ホールで開幕した。初日は講演やトークセッションを行い、来場した約400人がシェフたちの料理への熱い思いに触れた。29日まで。
同学会はスペイン・バスク地方サンセバスチャン発祥の世界料理学会を手本として2009年に始まり、今回で8回目。第3回からはテーマを設けて開催し、今回は「自然のきのこ」とした。
この日は冒頭、深谷代表が「近年増えている海外からの観光客は食を求めている。互いの意見を競合し、楽しい2日間に」とあいさつ。
この後、大阪の「ミチノ・ル・トゥールビヨン」の道野正シェフと、東京の「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇シェフが「料理人という生き方」をテーマに対談。道野シェフは現代の料理人が置かれている状況を「レシピの考案では経験値の差でAI(人工知能)に取って代わられるかもしれない」と危惧。一方、谷シェフは「料理には感情と直感力が不可欠。これはAIには表現できない」とした。また、道野シェフは「料理人にとってお客さまにおいしいと喜んでもらえるすべを身に付けていることが誇り」と強調し、谷シェフは「お皿の上の評価はお客さまの主観。料理で人々を楽しませ続けるシェフでありたい」とそれぞれの流儀を語った。
29日は午前9時半から、引き続き同ホールで講演やトークセッションを行う。当日券は一人2000円。また、関連イベントとして同10時から午後3時まで、「北海道・青森食材見本市」が五稜郭タワーアトリウムで開かれる。入場無料。(飯尾遼太)