函館市水産物地方卸売市場の6月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年同月比35・5%増の42トンと前年を上回ったものの、同月としては2005年以降過去2番目に低い水準にとどまり、漁解禁前に発表された漁況予測の通り苦しいシーズンの幕開けとなった。
市農林水産部によると、生鮮スルメイカの1キロ当たりの単価は同比17・7%減の1072円。取扱金額は同比11・6%増の4503万円。キロ単価は前年同月と比較するとやや落ち着きを取り戻したもの、依然として高値が続いている。
道総研函館水試が6月18~26日に渡島大島周辺などで実施したスルメイカ漁場調査では、調査点7点のうち最もCPUE(2連式イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲尾数)が最も多かったのは島牧(後志管内)北方沖の19・9尾で、次に高かったのが瀬棚沿岸の5・9尾。昨年同期の調査ではCPUEが最も高い地点で94・5尾だったことなどから、同水試は「スルメイカの分布密度は昨年や過去5年平均を下回った」とし、今シーズンの先行きへの不安が広がっている。(野口賢清)