函館水産高校(亀山喜明校長)は15日、今年1~3月に実施した米ハワイ航海実習中に漁獲したマグロを、コープさっぽろかじ店(函館市鍛治2)とほくと店(北斗市久根別2)で販売する。生徒自ら店頭に立ち「函水うまぐろ」と名付けた商品を売り込む。マグロを函館に水揚げしたのは今回が初めてで、話題を呼びそうだ。
生徒が漁獲から販売まで一貫して取り組むことで、流通の仕組みを学ぶとともに、コミュニケーションやプレゼンテーション能力を高めるのが狙い。マグロは従来、静岡県の港に水揚げしていたが、札幌の水産卸大手「カネシメ高橋水産」の協力で、今年から函館港に変更し、函館に水揚げできる体制を整えた。
渡島教育局によると、実習船「若竹丸」(692トン)を使い、航海日数44日間(1月25日~3月9日)でマグロはえ縄の操業を3回行い、メバチマグロ、ビンナガマグロ、カジキ類を漁獲。約400キロを水揚げした。
店頭では、生徒5人ずつ対面販売に取り組む。生マグロや加熱したものを、お客に試食してもらう。商品は冷凍柵を基本に、店によって刺し身やすしで売るケースもあるという。計200キロを用意し、価格は未定。売り切れ次第終了。
高橋水産営業第四部製品グループの渡部左恵子課長は「正当な評価をして価格を付けて売る。生徒が丁寧に下処理したので、鮮度が良い。多くの人に足を運んでほしい」と話している。(山崎大和)